ここまでのあらすじ
車検から戻ってきたNinja650ちゃんはオイルが駄々洩れ。いくつか対策を講じてみたもののうまくいかず。
万策尽きた!
と状態から話は始まります。
ここまでのあらすじ 費用を浮かせようとエンジンオイルの交換を自分でチャレンジしてみたのが運の尽き。 エンジンオイル交換作業で考えられるあらゆる失敗を繰り返し、中でも最も恐れられているオイルパンの雌ネジを舐めてしまうという大罪を[…]
根本的な解決を目指す
雌ネジを修復したり、ボルトにシールテープを巻いて隙間を埋めたりしてきましたが、小手先の対応に限界は限界であることを悟りました。
もうこのオイルパンはダメだ
こうなってはもうオイルパン交換しかありません。とりあえず、サービスマニュアルを見ながらオイルパンの交換に必要な部品を調べます。必要な部品はサービスマニュアルから探しました。
どうやら、オイルパン以外にも、オイルパンのガスケットが必要のようです。
また、オイルパンを着脱するためにはオイルパンを抱きかかえるように配管されているマフラーも一旦外す必要があります。マフラーとエンジンとの接合部にもガスケットが使用されているため、再びマフラーを装着するためにはガスケットを新品に交換する必要があります。
ガスケットは柔らかめの金属です。潰して隙間を埋めるものなので毎回交換です。
※マフラーのガスケット部には耐熱グリスも必要です
部品名 | 部品番号 | 数量 | 合計金額(税込10%) |
---|---|---|---|
①パン(オイル) | 49034-0552 | 1 | 7,733円 |
②ガスケツト,オイル パン | 11061-0167 | 1 | 649円 |
③ガスケツト,エキゾーストパイプホルダ | 11061-1373 | 2 | 1,122円 |
合計 | 9,504円 |
以前はバイク用品店などでも注文できたのですが、2022年4月からは純正部品はディーラーやカワサキ公式のオンラインショップでしか入手することができなくなりました。
当時はまだ2022年3月だったのですが、バイク量販店での注文は既に打ち切られておりました。
ただ、カワサキ以外の一部オンラインショップでも在庫があればまだ購入できるようだったので、オイルパンとそのパッキンを注文。しばらく待ちます。
オイルパンのパッキンは数日で届いたのですが、オイルパンは待てど暮らせど届きませんでした。
どうなってんじゃゴルァ!…あっ
しっかり届いてました、キャンセル(在庫なし)の旨のメールが。
おとなしくカワサキ公式オンラインショップで注文しました。納期は約1カ月と表示されていましたが、2~3日くらいすると、処理状態が80%に。
なんだ最初からカワサキ公式から注文しておけばよかった。
と、思いましたが…処理状態は1週間経っても2週間経っても進みません。1か月少し経った頃ようやく出荷されました。納期1カ月表示はおおむね正しかったようです。
箱には「MADE IN THAILAND」との記載がありました。
君ははるばるタイから来たんだね。
よくよく考えてみたら、そもそもNinja650自体タイ製でした。
これが新しいオイルパンの実物です。右上がドレン部です。
ドレン部から内部に入ったところに出っ張りが…。
そりゃあタップも奥まで入らないわけです。もし、無理矢理にリコイルタップをねじ込んでいたら雌ネジは壊滅的な状況になっていたことでしょう。
これが新品の雌ネジ。キレイ。
オイルパン交換の方法
メンテナンスマニュアルで交換方法を調べます。
まずはマフラを外してから、次に周辺の部品をいくつか外し、目的のオイルパンを外す手順でした。
あれ、これくらいなら自分でできそうだな
と思い、マフラーの外し方の章を見てみると…
マフラーの前にミドルカウリング外して、エンジンスプロケットカバーを外して、O2センサー、シフトペダル外して…とやらないといけないことがわんさか。さらっと書きましたが、掘り下げていくと部品点数がかなり多いことが判明。
スッ…(メンテナンスマニュアルを閉じる音)
ウチにはバイクを整備するためのガレージがないこともあり、日を跨ぐような作業は難しいです。それに、失敗すると自走不能になり、修理をお願いするのも難しくなるかもしれません。
なら、カワサキプラザにお願いしてみようかなと思いました。いくらかかるのかなと概算工賃を聞いてみると…
オイルの抜き取り、再注入含めて工賃2万7千円強です。
(エンジンオイル代、部品代含まず)
あれ、思ったより高くない!
※さまざまな要因で変化する可能性ありますのでお店に確認してください。
部品代(9千500円)+工賃(2万7千円)でおよそ3万6千500円くらいで交換できるということです。
今日に至るまでにかけた費用は…
品名 | 金額 |
---|---|
パイロットタップ付リコイルキット | 12,000円 |
タップハンドル | 1,500円 |
掘削タッピングスプレー | 700円 |
抜き取り工具 | 3,600円 |
液体ガスケット | 800円 |
シールテープ | 100円 |
失った休日(6日くらい) | プライスレス |
合計 | 18,700円 |
自分で修復するための工具代に+プラス1.8万円くらい払えば、何も心配せず走れるようキチンと修理ができたわけです。失った休日を考えるとむしろ高くついたとも言えるかもしれませんし、そもそも1万9千円弱かけてもまだ直ってない訳です。
最初からカワサキプラザさんに泣きついておけば…と悔やまれます
ということで部品持ち込みで修理出すかー、と思いつつ最後もうひとつだけ試してみたいことがありました。
まだ試したいことがある…?(#^ω^) ビキビキ (青筋立てる音
最後だって!本当に!
最後に試したいこと
前回の記事でリコイル(大き目の雌ネジを掘削して、そこに元の雌ネジになる詰め物を入れる)をしましたが、パイロットタップ部が邪魔で大き目の雌ネジが最後まで掘削し切れませんでした。掘削できなかった奥側に詰め物が入り込み穴が狭くなり、短めの社外品ボルトでも狭くなった部分に阻まれ、パッキンがちゃんと潰れるまでトルクがかけられなかったのではないでしょうか。
ということは、短いドレンボルトならまだ締まる可能性があるのでは…そう考えました。
短いボルト…そんなのが都合よく手元に…あっ!
ありました、トルク恐怖症に陥った時に見つけ、購入しておいたバイク用エコオイルチェンジャー・ジェットという製品。
ドレンボルトを緩めてオイルを排出するのではなく、レバー操作でバルブを開けることで排出できます。
社外品ボルト(パッキン込み)は約12mm、エコオイルチェンジャー・ジェットが約10mm。
エコオイルチェンジャー・ジェットの方がおよそ2mmほど短いです。
これならもしかして?
ちなみにジェットは、ドレンパッキンではなくOリングで密着させます。前回、Oリングで失敗しましたが、ジェットにはOリングがあるべき溝に埋め込まれているので問題ありません。
試しに、新しいオイルパンにあてがってみたところ、ピッタリ合ってました。
排出口はオイル受けるとき下向きが便利かなと思って下にしました。
オイルを入れてしばらく様子を見てみますが…特に漏れてくる気配はなし。ただオイル漏れがわかるまで時間がかかることも多いのでしばらく寝かします。そして気温が高い日にそれなりに負荷をかけてみましたが…
も、漏れてない!まったく漏れてないぞ!!
先日、ドレンボルトを締めたときにトルクをかけ過ぎてボルト穴を舐めてしまいました。「もうこんなことは繰り返したくない」とインターネット上を彷徨っていたところ、おもしろそうな製品を見つけましので、今回はその話です。 エコオイルチェンジャ[…]
最後に
最後の最後でなんとかオイルパンを交換することなくオイル漏れを防ぎました。今度はドレンボルトをシールテープ巻くのではなく、バルブの開閉でオイル交換ができるので、オイル漏れの心配はなく再びボルト穴を舐める心配もありません。
結局、新しく買ったオイルパンやガスケット一式は使いませんでしたが、またいずれ来るやもしれない有事のために大切に保管することとします。
ボルトは奥が深いものですね。ボルトの長さが変わると耐えられるトルクも変わります。皆様もトルク管理には十分お気を付けください。
二度とこのような悲劇が起きませんように。
完